2008年12月12日金曜日

第21回近畿地区管制・情報懇談会ダイジェスト

主 催:社団法人日本航空機操縦士協会(JAPA)・八尾空港協議会
日 時:2008年11月7日(金) 13:15~16:45
場 所:八尾空港総合ビル2階

「主催者あいさつ」
 JAPA副会長 薬師寺進
・八尾空港の管制・情報懇談会が手本になり、全国の空港で管制技術交流会が開催されるようになった。
・滑走路への誤進入が多発している。
・管制官・パイロット間の意志伝達が明確に行われることが大切。

「関西TCAにおける小型航空機の飛行について」
 関西空港事務所 濱哲也主幹航空管制官
・パイロットの意見が後押しとなり、関西TCAのブラインドエリア解消のため、三国山にアンテナ設置の予算調整中。
・関西TCAの取扱機数は月2,000機。取扱機数としてカウントされない裏の業務もある(調整等)。
・ミッション等でのPCA進入は、レーダー情報提供→視認→目視間隔設定→進入という手順。
・関空の出発機、10時~13時頃多い。ミッション機に「何分待つ」と伝えたくても、見通しがたたない時もある。
・レーダー室は以前とは違い、明るい部屋で大きなパソコンの画面を見ているようなイメージ。
・TCA席の情報画面ではWXや八尾の出発機のリスト等を見られる。TCA席の左側にはミッションの申請書、訓練空域調整用機材等がある。
・申請書はFAXで送られてくるので、つぶれて見えない時もある。
・航空測量の申請書、開始点・終了点は正確に。
・交信は簡潔明瞭に。日本語でもOK。
・高度・進路・目的変更は無線で伝えてから行うこと。
・TCAアドバイザリーは100%ではなく、すべて助言されるとは限らない。

「神戸空港及び周辺空域における航空管制」
 神戸空港出張所 七戸吉彦主任航空管制官
・管制官は先任含め8名。運用は6:45~22:15の15時間、14:30に交代。
・取扱機数、IFRの出発機と到着機が各26~30機(出入りが全部明石海峡経由なので30機がMAX)。VFRが30機(9割が通過)。
・関西がRWY24使用中は、関西RWY24到着機と神戸出発・到着機の間隔設定のため、神戸管制圏は2,000ft以下として運用。
・タワーにはローカル席と調整席がある。海向き(南向き)に座っているので、VFR機が山側(北側)を通過する時は、振り返って業務をしている。無線のレスポンスが悪い時は、振り返ってVFR機を探していると思ってください。
・TDSが設置され、関西レーダーと同じ画面を見ることができる。
・ハイウェイルートとアイランドルートを東向きに飛行したい場合、必ずイーストポイントでコンタクトしないといけないという訳ではなく、管制圏に入る前までで大丈夫。

「開港3年目を迎える神戸空港の現状と今後について」
 神戸市 みなと総局 神戸空港管理事務所 鈴木勝士課長
・利用者数全国13位、三種空港で1位。駐車場安いことが浸透してきた。
・小型航空機の利用年700機前後(飛行機が7割)。
・神戸発着機の騒音苦情、月2件(加古川市と播磨町)。
・小型機の騒音苦情が平成18年に多発。神戸市中央区・東灘区・須磨区からの苦情が目立つ。
・結婚式場が空港島に11月23日にオープン、ヒラタ学園も10月から工事開始、21年夏頃オープン予定(約90m×200m)。
・空港島分譲地、50% OFFの13.5万円/m2にした。定期借地制度もある。

「八尾空港の現状」
 八尾空港事務所 中本公徳主幹航空管制官
・12月18日にRKが廃止予定。
・管制方式基準の変更点の説明。
・センタースポットから離陸するヘリコプターへは“Contact tower before center spot”の指示を出している。センタースポットは滑走路と同じ。必ずセンタースポットの手前でコンタクトすること。
・Readyをコールする際は、Readyだけではなく飛行方向または管制圏離脱ポイントを伝えること(グランドに伝えていても再度タワーに伝える)。TGLの機体は回数も一緒に。
・インターセクションディパーチャーをする場合はReadyの際にリクエスト(後ろのトラフィックとの間隔も適切に取れる)。
・試験飛行や耐空検査で八尾VOR上空通過を要求する時は、通過高度、通過後の予定(どちらのDownwindに入るか)を伝える。
・“Clear of the runway”は機体の最後尾が停止線を全部越えてから。
・ヒラタ学園が運航するドクターヘリ、管制圏とその周辺に44ヶ所場外がある。ご注意を。
・要望書は見やすいものを(TCAチャートをコピーして作った申請書をFAXで受け取ると読みとりにくい)。
・齟齬があると安全損ねる。分からない時は分からない、何をしたいかが伝わるようにしましょう。

「技術情報、八尾空港の気象について」
 関西航空地方気象台 八尾空港出張所 金井義文所長
・ICAO Annex3「国際航空のための気象業務」変更にともないMETAR、TAFに変更あり。
・SKCが廃止されNSCに含まれる形になる。
・TAFの発表1日4回に変更。
・八尾空港は西風が卓越。夜の陸風は南東風が吹く(地形の割れ目からの風。大阪市内は別の方向から吹く)。秋は南東風多い。8時から9時に陸風から海風に変化、18時から20時に海風から陸風に変化する。
・西風が20ktを越えるとガストを伴う。北東風は15ktを越えるとガストを伴う。